花粉症の治療|症状・予防・舌下免疫療法まで完全ガイド
花粉症は「国民病」:日本人の罹患率と世代差
だいぶ暖かくなり、花粉が舞い始めました!
日本全国疫学調査(鼻アレルギー全国調査)によると、日本人の鼻炎などの有病率(病気を持っている人の割合)は
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アレルギー性鼻炎全体の有病率:約49%
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スギ花粉症の有病率:約38%
と報告されています。
つまり、日本人の約2人に1人がアレルギー性鼻炎を持ち、3人に1人以上がスギ花粉症という状況です
■ 世代間の特徴
この20年間でこの有病率は上がっており(スギ花粉症で倍の罹患率!)
そして若年層ほど有病率が高い傾向があります。
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10〜20代:約40%以上
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30〜40代:高率
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高齢層ではやや減少
これは花粉飛散量の増加、生活様式の変化、幼少期の環境要因などが背景として考えられています。
( 松 原 篤 ほ か:日耳鼻2 0 2 0)
花粉症・アレルギー性鼻炎の症状
日本の鼻アレルギー診療ガイドラインでは、症状を以下の3タイプに大きく分類しています
① くしゃみ・鼻漏型
ヒスタミン優位で症状が出現:くしゃみが多く、サラサラの水様の鼻汁が主体
② 鼻閉型
炎症・ロイコトリエン関与が強い:鼻づまりが主症状
③ 充全型(混合型)
最も多いタイプ、①と②の症状が合わさっているタイプ
眼の症状
また花粉症の多くはアレルギー性鼻結膜炎という状態です
主な眼の症状:強いかゆみ、充血、流涙、まぶたの腫れ、ゴロゴロ感
このような症状は、花粉症患者の約70〜80%にあると言われています
■ 意外な症状
花粉症では以下のような症状も出ます
● 咳:後鼻漏による慢性咳嗽が起きる
● 頭重感:鼻閉による副鼻腔圧上昇や睡眠障害による症状
● 集中力低下・学業成績への影響:睡眠障害が関与
● 倦怠感:炎症性サイトカインの影響
● 喉の違和感:口呼吸・後鼻漏での症状
これらは風邪や自律神経症状と誤認されやすい症状です。
まずは予防:曝露回避のエビデンス
薬物治療に入る前に、花粉症の治療の一番地は曝露回避です!
■ 花粉回避
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マスク:花粉吸入量約30〜50%減少
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メガネ:眼症状軽減
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帰宅時の衣服払落とし
- 帰宅時の洗顔、うがい
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室内干し
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花粉飛散ピーク時間帯(昼・夕方)外出回避
■ 室内対策
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空気清浄機
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床・カーテン・布団の掃除
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短時間換気
■ ダニ対策(通年性)
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寝具カバーの掃除
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週1回以上掃除機
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布団乾燥
曝露低減は症状軽減に有効とされています。
日本ガイドラインに基づく段階的治療
続いて薬物治療を紹介します。治療は重症度分類(軽症・中等症・重症)に基づきますが、基本は
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第2世代抗ヒスタミン薬(内服)
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点鼻ステロイド薬
の二つです。
この二つに加えて
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点鼻抗ヒスタミン薬
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ロイコトリエン受容体拮抗薬
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抗プロスタグランジンD2・ トロンボキサンA2薬
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ケミカルメディエーター遊離抑制薬
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抗ヒスタミン点眼薬
これらを組み合わせる形になりますが、基本の2剤をしっかり使用することからです
初期療法の重要性
花粉飛散開始約2週間前から治療開始する「初期療法」が推奨されています。
エビデンスでは、
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症状ピークの抑制
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QOL改善
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薬物使用量減少
が示されています。
なので、花粉が飛び始めた『今』治療をかいしすることが大事です!
舌下免疫療法(SLIT):根本治療のエビデンス
最後に舌下免疫療法を紹介します。
こちらは治療でも、花粉症の症状が出ている時の治療ではなく、根本的に花粉症を治す治療です。
アレルゲンであるスギ花粉の成分を少量ずつ体に取り入れ、慣らす治療となります。
今日本国内で舌下免疫療法が行える対象は
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スギ花粉症
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ダニアレルギー
の二種類だけです。
*スギ花粉症の処方薬は制限があるためすぐにできない可能性があります
■ 治療期間
3年以上の継続が推奨
5年ほど継続後に中止してみますが、再燃される方も残念ながらおります
■ 有効性
国内外の無作為化比較試験およびメタアナリシスで、
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症状スコア有意改善
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薬物使用量減少
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治療終了後も効果持続
が報告されています。
さらに、
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喘息発症リスク低減
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新規アレルゲン感作抑制
の可能性も示唆されています。
■ 安全性
でうる副作用としては下記のようなものがあります
- 局所副作用:約30–50%で出現、その多くは口腔内の違和感、咽頭違和感、そう痒感です
- 全身性副作用:数%未満、腹部症状、蕁麻疹などが出る場合があります
- アナフィラキシー:極めてまれ(0.01%未満)
重篤な副作用はまれですが、上記症状がでうるため、必ず主治医とよく相談の上開始をしてください
花粉症は我慢する病気ではありませんし、生活の質に大きく影響をします。
適切な治療で、少しでも生活の質は大きく改善してください。
そして舌下免疫療法にご興味がある方は、ぜひお声がけしてください。
